タイトル イラスト

相  続

(1)遺産分割のポイント

遺 産 分 割

相続人の確定

遺産の範囲の確定

分割方法の確定
 被相続人が死亡すると、相続が開始します(民法882条)。この段階で、遺産は相続人全員の共有となります(民法898条)。
 そこで、相続人間で遺産を分配する必要があります(これを「遺産分割」といいます。)

 遺産分割におけるポイントは、
  ➀ 何を
  ➁ 誰が
  ➂ どのように分けるか
 という3点です。
ア 「何を」とは? − 遺産の確定
 ➀ まず、相続の対象となる遺産の範囲を確定しなければなりません。

 遺産は、生前、被相続人が所有していた財産ですから、遺産の範囲の確定は簡単なようにも思えます。
 ところが、遺産の一部を生前に譲り受けたと主張する相続人がいたり、名義上は被相続人の物となっていますが、実際は他の人の物だったりすることがありますので、必ずしも簡単に確定できるわけではないのです。そこで、どこまでが遺産で、どこからがそうではないのかを法律上明確にしなければなりません。

 なお、遺産には、不動産や預金、株式等のいわゆるプラスの財産だけではなく、負債や契約上の債務といったマイナスの財産も含まれ、これらも分割の対象となります。
イ 「誰が」とは? − 相続人の確定
 次に、➁ 相続の対象となる財産(遺産)を誰と誰とで分けるのかが問題になります。
(ア)法定相続人
 遺産は、ご存じのとおり、相続人で分けることになります。誰が相続人となるかは民法に定められています(民法887条、889条、890条)。
 具体的には、被相続人の夫または妻(配偶者)は常に相続人となります(民法890条)。
 また、被相続人の子も相続人となります(民法887条)。
 子供がいない場合、被相続人の父母が相続人となり(889条1項1号)、子供も父母もいない場合には兄弟姉妹が相続人となります(889条1項2号)。
 また、被相続人が死亡したときにすでに相続人が死亡している場合には、その死亡している相続人の子が相続人となります(民法887条2項、889条2項、これを代襲相続といいます。)。
(イ)法定相続分
 では、相続人の法定相続分はどれくらいでしょうか。  これは、民法900条に定められています。
 まず、子と配偶者が相続人である場合、それぞれの法定相続分は各2分の1です(民法900条1号)。
 また、配偶者と父・母が相続人である場合は、配偶者が3分の2、父・母が3分の1となります(民法900条2号)。
 さらに、配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合には、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります(民法900条3号)。
 いずれの場合も、同順位の相続人が複数いるときには、各自の相続分は等しいものとされます(民法900条4号)。
(ウ)具体例
 例えば、妻と子が3人いる場合、妻の法定相続分は2分の1、子供はそれぞれ6分の1(1/2÷3人)ずつとなります。
 また、妻と両親がいる場合には、妻が3分の2、両親はそれぞれ6分の1(1/3÷2人)となります。
 さらに、妻と兄弟が4人いる場合には、妻が4分の3、兄弟はそれぞれ16分の1(1/4÷4人)となります。
(エ)相続放棄している場合
 もっとも、相続は、相続開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述することにより放棄することができますから、相続放棄をした相続人がいる場合には、その相続人は遺産分割の手続から外れることになります。
 なお、世間一般では、相続人が「私は遺産はいらない。」と言っている場合を相続放棄と言っているようですが、法律的には相続開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所に相続を放棄する旨を申述した場合にのみ相続放棄が認められます。
ウ 「どのように分けるのか」とは? − 分割方法の確定
 さらに、➂ どのように分けるのかというのは、遺産を相続人間でどのように分けるのかということです。
➀ まずは、話し合いで…遺産分割協議
 相続人は法定相続分に従って遺産を分割することになります。何をどのように分けるかについては、相続人全員で協議して決めます(これを「遺産分割協議」といいます。)。遺産分割協議が成立するためには、相続人全員の合意が必要となりますので、一人でも反対の相続人がいたときには、遺産分割調停の手続をせざるを得ません。
 なお、遺言がある場合は、遺言の内容に従って分けることになります。
➁ 遺産分割協議がまとまらないときは…遺産分割調停
 相続人全員の遺産分割協議がまとまらない場合には、遺産分割調停を家庭裁判所に申し立て、調停の中でさらに協議を続けることになります。
➂ 遺産分割調停がまとまらないときは…遺産分割の審判
 遺産分割調停もあくまで話し合いによって遺産分割を行うものですから、相続人全員の意見が一致しなければ遺産分割はまとまらないことになります。
 遺産分割調停がまとまらない場合には、審判手続に移行し、裁判所に分割の内容を決めてもらうことになります。

遺産分割に関する弁護士費用は…

 これらの一連の手続は、法律の知識が必要であるのはもちろんのこと、なによりも親族間の争いとなりますので、感情的となって紛争の解決に手間と時間が大きくかかります。また、精神的負担も相当なものです。
 そこで、遺産分割を巡る紛争の処理は弁護士に依頼することをお勧め致します。

 弁護士費用は以下のとおり着手金と報酬があります(なお、いずれの場合も別途消費税がかかります。)。
(1)着手金
 対象となる相続分の時価相当額が
ア 300万円以下の場合
その8%
イ 300万円を超え3000万円以下の場合
その5%+9万円
ウ 3000万円を超え3億円以下の場合
その3%+69万円
エ 3億円を超える場合
その2%+369万円
(2)報酬
 対象となる相続分の時価相当額が
ア 300万円以下の場合
その16%
イ 300万円を超え3000万円以下の場合
その10%+18万円
ウ 3000万円を超え3億円以下の場合
その6%+138万円
エ 3億円を超える場合
その4%+738万円
(3)特に複雑または特殊な事情がある場合には、弁護士と依頼者の協議の上、報酬を定めます。

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